例題 次の化学反応式に係数をつけて,反応式を完成させよ。
(1) H2 + O2 → H2O
(2) Na + Cl2 → NaCl
(3) Zn + HCl → ZnCl2 + H2
(4) Al + O2 → Al2O3
(1) 2H2 + O2 → 2H2O (2) 2Na + Cl2 → 2NaCl
(3) Zn + 2HCl → ZnCl2 + H2 (4) 4Al + 3O2 → 2Al2O3
演習問題 次の (1) 〜 (6) の化学変化を化学反応式で示せ。
(1) 黒鉛Cが不完全燃焼して,一酸化炭素COが生じる。
(2) 窒素N2と水素H2からアンモニアNH3が生じる。
(3) アルミニウムAlを空気中で加熱すると,酸化アルミニウムAl2O3が生じる。
(4) マグネシウムMgを塩酸HClに加えると,塩化マグネシウムMgCl2と水素H2が生じる。
(5) 過酸化水素H2O2に酸化マンガン(W)を触媒として加え分解すると,水H2Oと酸素O2を生じる。
(6) エタンC2H6の燃焼。
(1) C + O2 → CO (2) N2 + 3H2 → 2NH3 (3) 4Al + 3O2 → 2Al2O3
(4) Mg + 2HCl → MgCl2 + H2 (5) 2H2O2 → 2H2O + O2
(6) 2C2H6 + 7O2 → 4CO2 + 6H2O
「〜を燃焼する」,「〜を酸化する」,「〜を空気中で加熱する」といった場合は,「〜」をO2と反応させる。このとき,反応物にC,Hがある場合,それぞれCO2,H2Oになる。「触媒として…を加える」,「分解する」,「加熱する」といった言葉は,反応式を書く上では無視してよい。
【イオン反応式】
イオンを含んだ化学反応式をイオン反応式という。作り方は通常の化学反応式と同じであるが,「→」の左右で+,−の和が合うように係数をつける。
例) Ag+ + Cu → Ag + Cu2+ の係数を付ける
先に+,−を合せる
〔 2 〕Ag+ + 〔 〕Cu → 〔 〕Ag + 〔 1 〕Cu2+
(左辺+,右辺2+なので,左右とも2+になるようにつける)
次に原子の数を合せる
〔 2 〕Ag+ + 〔 1 〕Cu → 〔 2 〕Ag + 〔 1 〕Cu2+
(Ag+1つ,Cu2+1つは,それぞれAg1つ,Cu1つと考える)
例題 次の化学反応式の係数を記せ。係数が1の場合は,1を記入せよ。
(1) 〔 〕Fe3+ + 〔 〕OH− → 〔 〕Fe(OH)3
(2) 〔 〕Pb2+ + 〔 〕Cl− → 〔 〕PbCl2
(3) 〔 〕Fe + 〔 〕Cu2+ → 〔 〕Fe3+ + 〔 〕Cu
(4) 〔 〕Ag+ + 〔 〕OH− → 〔 〕Ag2O + 〔 〕H2O
(1) 〔 1 〕Fe3+ + 〔 3 〕OH− → 〔 1 〕Fe(OH)3
(2) 〔 1 〕Pb2+ + 〔 2 〕Cl− → 〔 1 〕PbCl2
(3) 〔 2 〕Fe + 〔 3 〕Cu2+ → 〔 2 〕Fe3+ + 〔 3 〕Cu
(4) 〔 2 〕Ag+ + 〔 2 〕OH− → 〔 1 〕Ag2O + 〔 1 〕H2O
例題 塩化アルミニウムAlCl3水溶液に水酸化ナトリウムNaOH水溶液を加えると,水酸化アルミニウムの白色沈殿が生成する。この変化をイオン反応式で表せ。
Al3+ + 3OH− → Al(OH)3
【未定係数法】
例)次の化学反応式の係数を記せ。
〔 〕Cu+〔 〕HNO3 →〔 〕Cu(NO3)2 +〔 〕NO +〔 〕H2O
上の例の係数は,これまでの方法(目算法という)ではつけにくい。一般的には目算法で係数をつけるが,複雑な反応式の場合,次の未定係数法によって係数を付けていく。
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